時代を超えるトーンを、現代のプレイヤーへ
VOX AC10 は、数多くの録音やステージで活躍してきたモデルです。AC10 Hand-Wired は、その伝統を継承しつつ、ヴィンテージ仕様を丁寧に検証し、スタジオから小規模ライブまで幅広く使えるコンボアンプとして再構築されています。
これは単なる復刻ではありません。1960年代の AC10 を基に、ハンドワイヤリングで再設計したモデルとして、当時の音と応答性を現代の品質で再現しています。カスタムトランス、ヴィンテージ仕様に基づくキャビネット構造に加え、位相反転段後に配置したマスターボリューム(PPIMV)、Top Boost チャンネル、スプリングリバーブ、FX ループなど、VOX 伝統のトーンを保ちながら現代の使用環境にも対応しています。
今、ヴィンテージ VOX の unmistakable な響きが確かな再現性で手にできるアンプです。
ヴィンテージトーンの精確な再現
AC10 の個性は EL84 の出力段だけでなく、クラシック VOX に見られる 位相反転段が大きな入力で歪み始める特性にもあります。これはプリアンプの歪みとは異なる質感で、AC10 ならではの複雑な倍音構造を生み出す要素です。
再現は、1965年製 AC10 の実機解析から始まりました。電気的挙動や動作の特徴を測定し、当時の“サグ”を反映する電源回路を新たに設計。
音量を上げていく際に生じるわずかな電圧変化が、自然なコンプレッションや伸びのあるサステインを生み出します。ヴィンテージ特有のノイズは抑えつつ、演奏時の感触は忠実に再現しています。
カスタム出力トランスによる倍音構造の再現
AC10 Hand-Wired には、試作と検証を重ねて開発した カスタム巻線トランスを採用。1960年代の個体に見られるベルのような高域や、豊かな倍音の重なりを再現しています。
巻線のわずかな違いが音の立ち上がりや飽和の仕方に影響するため、当時の特性に近い挙動を目指した設計としています。
キャビネットのレゾナンス特性
調査の結果、60年代の AC10 では 9mm のバーチ合板が使用されていたことが分かりました。AC10 Hand-Wired でもこの仕様に合わせたキャビネット構造を採用し、開放感のある立体的な響きを実現しています。
12 インチ Celestion G12M Greenback と組み合わせることで、温かさと存在感のあるレスポンスを引き出します。
VOXを象徴するあのサウンド
AC10 Hand-Wired は、VOX を象徴する Top Boost チャンネルを搭載。Treble / Bass / Volume を独立で調整でき、澄んだチャイムから存在感のあるクランチまで、幅広い音作りが可能です。
小型コンボながら、タッチへの追従性と倍音豊かな表現力を維持しています。
スプリングリバーブ
FET 段でスプリングを駆動する設計により、カラーを抑えた自然なリバーブを実現。専用トランスとの組み合わせにより、奥行きと存在感のある残響を生み出します。
Level コントロールを備え、付属フットスイッチでオン/オフの切り替えが可能です。
クリアな音質のエフェクトループ
現代のエフェクト運用に対応するため、FET バッファを採用したクリアな FX ループを搭載。アンプ側が歪んでいる状態でも、空間系・モジュレーション系エフェクトの質感を保ちます。必要に応じて完全にバイパスすることもできます。
絶妙なバランスの 10W
10W(EL84 ×2)という構成は、自宅使用でも扱いやすく、ステージでもしっかりと存在感を発揮できる絶妙な領域に位置しています。ボリュームを上げていくほどに自然な歪みへ移行する特性を備え、小型アンプにありがちな妥協を感じさせない設計です。
回路構成やトランスの最適化により、サイズ以上の存在感のあるサウンドを実現します。自宅録音、リハーサル、少人数のライブに適したモデルです。
VOX の意匠を受け継ぐデザイン
60年代と同様のコッパーパネルデザイン、真鍮ベントグリル、クラシック VOX バッジなど、
1960年代 AC10 の意匠を踏まえた仕上げによってVOX の伝統を象徴するコンボアンプです。
その一音目から、歴史に刻まれてきたVOXサウンドが、あなたのものです。