時代を超えるトーンを、現代のプレイヤーへ
そのサイズからは想像できないほど、VOX AC4 は録音現場で長く重宝されてきました。AC4 Hand~Wired は、その伝統を継承しながら、ヴィンテージ仕様を丁寧に検証し、スタジオ、ホームユース、小規模なライブに最適なモデルとして再構築されたコンボアンプです。
これは単なる復刻ではありません。1960年代の AC4 を基に、ハンドワイヤリングで再設計したモデルとして、当時の音と応答性を現代の品質で再現しています。カスタムトランス、ヴィンテージ仕様に基づくキャビネット構造など、ACシリーズのキャラクターを保持しつつ、現代的な機能にも対応しています。
ヴィンテージトーンの精確な再現
一般的な 4W シングルエンドアンプは、音量を上げると荒い歪みになりがちですが、AC4 Hand-Wired は VOX らしい倍音構造を再現するために、あえて位相反転段を追加した設計を採用しています。これにより、大型 AC モデルと同様の“プッシュプル回路特有の倍音”が生まれ、プリアンプの歪みとは異なる、開放的で立体感のある質感が得られます。
再現は、1962年製 AC4 の実機解析から始まり、電気的挙動や動作の特徴を細かく測定したうえで、当時の“サグ”を再現する新設計の電源回路を採用。
ボリュームを上げていく際のわずかな電圧変化が、自然なコンプレッションやサステインを生み出しす。
一方でヴィンテージ個体に見られるノイズやゴーストノートは抑え、扱いやすい信頼性を確保しています。
カスタム出力トランスと軽いネガティブフィードバック
AC4 Hand-Wired には、試作と検証を重ねて開発した カスタム巻線トランスを採用。1960年代の AC モデルに見られるベルのような高域と、複雑な倍音の重なりを再現します。
また、1959 年の AC6 を参考にした ごく軽いネガティブフィードバックを取り入れることで、小音量でも明瞭さとバランスを保ちつつ、VOX らしい生き生きとした特性を損なわない設計としています。
キャビネットのレゾナンス特性
小型コンボとはいえ、キャビネット構造は音に大きく影響します。調査の結果、60年代 AC4 では 9mm のバーチ合板が使われていました。
AC4 Hand-Wired でも同じ厚みのキャビネットを採用し、軽快さを保ちながら、開放感と奥行きのある響きを実現しています。
12 インチ Celestion G12M Greenback と組み合わせることで、小型アンプとは思えない、温かさと存在感のあるレスポンスが得られます。
VOXを象徴するあのサウンド
AC4 Hand-Wired は、VOX を象徴する Top Boost チャンネルを搭載。Treble / Bass / Volume を独立で調整でき、澄んだチャイムから存在感のあるクランチまで幅広い音作りが可能です。
小出力ながら、タッチへの追従性と倍音豊かな表現力を維持しています。
スプリングリバーブ
FET 段でスプリングを駆動する設計により、カラーを抑えた自然なリバーブを実現。専用トランスによるインピーダンス設計と組み合わせ、奥行きのある落ち着いた残響を生み出します。
Level コントロールを搭載し、付属フットスイッチでオン/オフを切り替え可能です。
クリアな音質のエフェクトループ
現代のエフェクト運用に対応するため、FET バッファを採用したクリアな FX ループを搭載。
アンプ側が歪んでいる状態でも、空間系・モジュレーション系エフェクトの質感を損なわず、
必要に応じて完全にバイパスすることもできます。
小型ながら実力十分
4W(EL84 ×1)ながら、適度なクリーンヘッドルームを確保しつつ、ボリュームを上げていくにつれて自然な歪みへ移行する特性を備えています。
回路構成やトランスの最適化により、サイズ以上の存在感を持つサウンドを実現。自宅録音、リハーサル、少人数ライブに適したモデルです。
VOX の意匠を受け継ぐデザイン
60年代と同様のコッパーパネルデザイン、真鍮ベントグリル、クラシック VOX バッジなど、1960年代 AC4 の意匠を踏まえた仕上げにより、VOX の伝統を象徴するコンボアンプです。
その一音目から、歴史に刻まれてきたVOXサウンドが、あなたのものです。